TOEICと英語力

世間では、TOEICがよく取りざたされます。昔はそれほど知名度もなく、受験する人も限られていましたが、今では大抵の人がTOEICのことを知っています。たぶん、企業でTOEICを使う例がよく報道されているからでしょう。一部の企業ではTOEICで高得点を取らないと、昇進できない様です。これではどうしてもTOEICに関心を持たざるを得ません。

しかし、TOEICというのは、世間の人が期待するほどきちんと英語力が測れるわけではありません。問題をよく見ればわかりますが、要するに簡単な仕事上のやり取りができるかどうかをテストしているに過ぎません。しかも、実際の英語の使用状況とはかなり違います。例えば、TOEICのリスニングは一度しか聞くことができませんが、実際の会話では、わからなかったら、聞き返します。そして、大抵、わかるまで尋ねるでしょう。

リーディングにしても、TOEICは、ほとんど内容のないものを読ませます。しかも、その内容は、読む人とは何の関係もありません。しかし、実際のリーディングは、内容がしっかりあるものを読みますし、読む内容は読む人と関係があります。

しかも、テストの内容は仕事上のやり取りがほとんどです。しかし、実際に英語を使う場面では、ニュースを聞いたり、映画を見たり、小説を読んだり、論文を書いたりなどがほとんどでしょう。「5時に3階の会議室で会議を開くから、来て下さい」などと言うことを言ったり、聞いたりすることは、英語に接する時間からするとごくわずかに過ぎません。それに前述のように、時間が聞き取れなかったら、「え?何時ですか?」と聞き返します。

TOEICができても、それはあくまでテスト上の英語ができるという話に過ぎず、小説が読めたり、映画がわかったりする訳ではありません。TOEICというのは、英語力の一部しか測定できないことをよく認識する必要があると思います。実際、TOEICの得点が低くても、英語のできる人はたくさんいますし、TOEICの得点が高くても英語が大してできない人はたくさんいます。TOEICは役に立つテストには違いありませんが、その限界を見極め、他のいろいろな方法を併用するなどして、きちんと英語力を測定するようにしないといけないと思います。

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