平将門について考える

平安時代に平将門(たいら の まさかど)という人がいました。誰でも知っている歴史上の人物です。平将門は、関東地方で反乱を起こし、自らを新皇と名乗ったものの、朝廷からの討伐軍に敗れ、死んでしまいます。以来、古代においては、朝敵とされ、中世には、崇拝と尊敬の対象になり、明治時代には逆賊扱いになり、第二次世界大戦後には、英雄になりました。

この英雄となった大きな原因が、NHKの大河ドラマ『風と雲と虹と』にあるようです。このドラマは、最近、NHKの倉庫から偶然発見され、DVD化されました。元のテープが非常に悪い状態であるため、極端にひどい映像ですが、何とか見ることができます。現存するNHKの大河ドラマでは最古のものであり、描かれた時代も最も古い時代になるそうです。それ以前のものは、全部捨てられてしまったようです。

この『風と雲と虹と』を見ると、平将門が曲がったことの嫌いな実直な男として描かれています。そして、将門は腐敗した朝廷の有様に憤りを募らせていきます。何人かの女性との出会いがありますが、まっすぐな性格のため、うまく行きません。

生まれた年もわからない人ですから、すべてフィクションや伝説と言ったものに違いありませんが、共感を覚えずにはいられません。誠実な人間ではないのに、人生をうまくやって、上手に出世していく者がいる一方、誠実な人間がかえって、うまく人生を生きられず、出世もできない様は、あまりにも現実的な感じがします。こういうことは、時代は変わっても、今もそこいら中にありそうな気がします。

この平将門の様に、人は苦難の人生を送り、そうして死んでいくのでしょう。そして、その人なしに、時代は過ぎて行くものなのでしょう。遠い過去にこうした苦難や葛藤があっても、時代が過ぎていくと、それはまるで最初からなかったかの様に跡形もなくなっているのが、悲しいですね。たとえそうであっても、今を生きる私たち一人一人は、結局、今の時代を精一杯生きていくしかないのだと思います。『自分には自分の生き方がある。』というのは、確かにそうだと思います。

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