NOVAの英国人英会話講師殺人事件の市橋達也容疑者とその恩師の手紙

英会話スクールNOVAの英国人女性英会話講師、リンゼイ・アン・ホーカーさん(当時22歳)が殺されていた事件で、死体遺棄容疑で逮捕された市橋達也容疑者は千葉大学園芸学部の卒業生ですが、その恩師、千葉大学名誉教授の本山直樹氏がインターネット上に市橋容疑者宛に手紙を公開していました。本山直樹氏のウェブサイトに行けば、全文読めるわけですが、いずれ削除される可能性の非常に高い文書なので、写真を除き、あえて全文掲載しておきます。本山氏のサイトで、しっかり写真付きの原文をお読みになりたい方は、こちらをクリックして下さい。

市橋達也君に告ぐ

(2009年11月8日)

君が整形手術の予約をインターネットでしたと新聞に載っていたので、もしかしたら本サイトを見てくれる機会があるかもしれないと思って、これを書くことにしました。数えてみれば、事件が起こってから3年近く、君が大学を卒業してからもう5年近くが経っていることに、時の流れの速さを感じます。私は昨年3月に千葉大学を定年退職し、今は東京農業大学の客員教授になってまだ農薬の研究を続けています。

市橋君、君はいったいどうしてしまったのだ。君と私の接点は、私の研究室で卒業論文の研究をしたのでもなく、私の授業を受けたのでもなく、ただ園芸学部の道場で一緒に空手の稽古に汗を流しただけだったけど、そのことを私は今でも大変なつかしく思っています。同好会のような小さなクラブ(確か君がいた時代の部員数は5~10名程度だった筈)で、週2回、昼休みだけの稽古だったけど、皆で稽古の前には必ず道場の床の雑巾がけをし、稽古の後はシャワー室でシャワーを浴びて、研究室や教室に戻る前に更衣室で着替えながら雑談をするという何気ない活動が1年ちょっとくらい続いただろうか。卒業の少し前に、卒業後はどうする予定なのかと君に訊いたら、緑地環境学科で庭園デザイン学を勉強した君は、市川か浦安の辺りに住んで設計事務所でアルバイトをしながらさらにデザインの実務経験を身につけると言ったのを覚えています。英語を習っていたのは、将来海外に留学することも君の計画にはあったのだろうか。

それ以来君とは一度も会っていないので、卒業後何があったのか全くわからないが、報道されているような事件を犯したのだとしたら、彼女との間によっぽど君の尊厳が傷つけられるような何かがあったのだろう。この頃、毎日のように新聞やテレビに出る君の昔の顔と今の顔を見ると、本当に君はいったいどうしてしまったのだろうと思ってしまいます。逃げ切れるものではないし、例え逃げ切れたとしてもそんな逃亡生活の惨めさはすでに君自身が十分経験している筈です。彼女との間にどんな問題があったにせよ、君が今やるべきことは自ら出頭することです。そして、彼女のご家族に心から謝罪して、犯した罪の償いをきちんとして、その上で君はまだ若いのだから残りの人生をしっかりやり直すことです。そうすることが、君を育ててくれたご家族の名誉を回復し、君の友人たちの名誉を回復し、何よりも君自身の名誉を回復することになります。責任を回避して逃げ回ることは、君らしくない、人間として恥ずかしいことです。今の君が何に影響されているのかわからないけれど、自分自身の心をとりもどして下さい。

つい先日、園芸学部は創立100周年記念事業をやりました。その少し前には、天皇・皇后両陛下が戸定歴史館と園芸学部を訪問されました。そのためにキャンパス内や周辺環境の整備がすすんで、以前とは見違えるほどきれいになりました。最近のキャンパスの写真を何枚か貼付します。ちょうどA棟前のサンクガーデンや生協前広場のサルビアの鮮やかな赤い花が最盛期です。正門の上の猫は野良猫で、近所に餌をやる人がいるものだから、何匹も住みついて困っています。道場では今でも時々汗を流しています。このサイトには私への連絡方法(メールアドレス)も書いてあるので、もし君がこれを見る機会があったら、連絡して下さい。君と是非話をしたいと思っています。

引用元: 市橋達也君に告ぐ (本山直樹 Website)
(URL: http://sites.google.com/site/naokimotoyama/ichihashi/ (リンク切れ))

よくは知りませんが、本山直樹氏は空手部の顧問か何かをやっていたのでしょうか?どうも市橋達也容疑者が学生時代だったときに市橋容疑者に授業をしていた人ではないようです。スポーツの方の恩師になるみたいですね。

この手紙を読むと本山氏の教え子を思う気持ちが切々と伝わってきます。こういうのは、教師をしたことのない人にはなかなかわからないでしょう。教師というのは、生徒や学生に怒ってばかりいる人というイメージがありますが、よい教師は、そうではありません。教師でない人には、教師の気持ちがわかっていないというのは、教師になるとよくわかります。親の気持ちが子供にはわからない様なものです。しかし、その子供も親になると、ようやく親の気持ちがわかるものです。しかし、教師になる人は、ほとんどいないので、教師の気持ちだけは、永久にわかりませんね。わからないまま、失礼な態度を取って一生を過ごす人が少なからずいて、いつも残念に思います。市橋容疑者やその親が本山氏の気持ちをどれほどありがたいと思うのか、予想がつきませんが、これほどありがたい先生はこの世にはいないと思ってほしいものです。

これによると、本山氏の目には問題の事件が信じられない事件と映っているようです。きっと何か深いわけがあるに違いないと思っているようですね。「彼女との間によっぽど君の尊厳が傷つけられるような何かがあったのだろう。」と推測していますが、市橋容疑者は自尊心の高い青年だったということでしょうか?学生時代に一緒にいた本山氏がそう言うなら、市橋容疑者は自尊心が高い人であるという可能性が高い様な気がします。自尊心が傷つけられると、凶悪な犯行を行ってしまうかもしれない程に自尊心が高いと言うことになります。それぐらい高い自尊心ともなると、間違いなく劣等コンプレックスの持ち主でしょう。もっとも、本山氏が自尊心の高い人なので、市橋容疑者を含め、周りの人がみなそう見えるという可能性もなきにしもあらずです。

それにしても、教え子が殺人を犯したかもしれないと言うのは、教師としてはかなり衝撃的なことだろうと思います。どうしてこの様な事件が起きたのかはよく議論されるところです。殺人や強姦が起きる原因としては、よく世間では、アニメや映画などが取り上げられたりします。もちろん、これは俗説で、アニメや映画などの中に殺人や強姦が出てきたからと言って、人が殺人や強姦に走るわけはありません。むしろ、アニメや映画の好きな人は、おとなしい人が大半を占めますから、確率的に言えば、アニメや映画を見ている人の方がずっと暴力的な犯罪を犯す可能性は低いと思います。

市橋容疑者の場合、高校時代は陸上選手をやっていた様です。大学では、上で見たように、空手をやっていた様です。市橋容疑者は、れっきとしたスポーツマンということですね。と言うことは、これは、スポーツマンが女の先生を殺して、死体を遺棄したかもしれない事件と言うことになります。

スポーツマンが殺人や強姦をすると言うことは、一般にはぴんと来ないかもしれません。スポーツマンというと、まじめで潔癖、模範的というイメージがありますからね。しかし、これはマスコミにより作られた虚像に過ぎません。簡単に言えば、うそです。実際、学校内部で強姦事件があったら、犯人は、大抵、体育の教師です。マスコミの人なら誰でも知っている事実ですが、あまり報道されることがありません。

スポーツマンは筋力がありますし、元々、外に向かって攻撃を仕掛ける衝動の高い攻撃的な人が攻撃性を発散させるためにスポーツを行っていると言う背景もあります。アニメや映画や漫画などの好きな人は、大抵、攻撃性を自分の内側に向ける人で、外へ攻撃性を向けることはありませんから、アニメや映画や漫画を見て、心の中で妄想するぐらいのものです。

また、スポーツマンは、力で問題を解決することを常としていますから、けんかで殴り合いをするのも、大抵は、スポーツマンですね。ひ弱な体力しかないアニメや映画、漫画の愛好者は、せいぜい、心の中で密かにつぶやくのが精一杯でしょう。

わかりにくいと思う方もいらっしゃると思うので、念のために解説しておくと、外へ攻撃性を向けるというのは、例えば、腹が立ったとき、腹の立つ原因となった他人を殴りたくなると言う意味です。内側に攻撃性を向けるというのは、腹が立ったときに、腹の立つ原因となった他人を殴るのではなく、自分を殴ってしまうと言うことです。この二つ以外には、他人も自分も殴らず、内側に怒りを包み込んでしまうというのもあります。アニメや映画、漫画などが好きな人は、典型的には、自分の内側に攻撃を向けるタイプか、自分の内側に怒りを包み込んでしまうタイプのどちらかです。おとなしい人やおっとりしていると言われている人は、こういうタイプです。一方、スポーツマンやかっと来やすい人は、外側に攻撃を向けるタイプです。スポーツマンをののしれば、殴られるというわけです。

とはいえ、スポーツが犯罪を起こすわけではないのは、アニメや映画、漫画などが犯罪を起こすわけではないのと同じです。そう言うものを愛好する人に、素質があるというだけのことです。それに、それだけでは、犯罪を犯すことはありません。犯罪を犯すには、普通の人の超えられない道徳の壁を越えることができなくては不可能です。

悪いことをやるというのは、善人には不可能なことです。それは道徳の壁があるからです。悪人は、この道徳の壁を乗り越えることのできる人たちです。壁が低いのか、あるいは、壁がそもそもないのか、それは人によります。この道徳の壁は、幼児期に作られます。だから、何らかの理由で、その時期に道徳が学習されなかったり、学習された道徳に問題があったり、あるいは、道徳が学習されたのに、脳の道徳担当部分が破壊されると、道徳を守らず、非道徳的行為を行う人間に成長してしまいます。

スポーツを好む対外攻撃型人間が、こういう経緯を経て成長した上、スポーツで筋力を増強させ、非道徳的なことも平気でできるようになると、立派な犯罪者になります。市橋容疑者が、陸上選手で、空手家と言う話を聞くと、どうしても、この容疑者にもこういう背景があるのではないかと想像してしまいますね。

スポーツマンは健全な精神の権威の様に思っている方にとっては、上に書いたことは、偏見のように映るかもしれません。しかし、科学的な事実としては、そんな感じですね。実際、スポーツマンで、心の優しい人格者という様な男性に私は今まで出会ったことがありません。それどころか、スポーツマンには、暴力をふるわれたことが何度もあります。こうした体験は、この様な科学的な事実に裏付けられている様に思うのですが、どうでしょうか?

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